坂本直子

上智大学は、『新カトリック大事典』が研究社オンライン・ディクショナリー(KOD)で利用可能になったことを発表した。 『新カトリック大事典』は、1万5千項目を収録する百科事典。総執筆者数は900人に上る。 同事典の編纂事業は、1970年代に始まり、以来30年余りの年月が費やされてきた。その間に技術の革新が進み、編纂作業は専用原稿用紙でのやりとりから、フロッピーディスクへと変わり、さらに電子メールで原稿を受け取り、整理・編集を行い、出版社にはメモリースティックを渡す、というように変わっていった。電子化の過程でも、インターネットを利用することで、大量のデータを瞬時にやりとりしてきた。 編纂委員会はこうした流れを、「『知識』は『情報』という言葉に取って変わりつつある」と受け止めている。その一方で、高柳編纂委員長は「猛スピードで膨大な量が入ってくる現代の情報量を、人間性を豊かに発展させるための障害とするのではなく、緊張関係をとどめつつも、ポジティブな性格を取り込むことが必要」だとし、「その意味では、『新カトリック大事典』は、人類が未来に進んで行くための奉仕を使命としている」と同事典の究極の役割を語った。